【読書】山本文緒「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」を読む
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ネットで山本文緒さんの情報を見ていて2022年にすい臓がんで亡くなったことを知りました。
まだ58歳だったそうです。
「無人島のふたり-120日以上いきなくちゃ日記」は山本文緒さんが化学療法を受けてその苦しさに治療を断念し、
緩和ケアに移り軽井沢の自宅で闘病する中でつづられた日記です。
元編集者の旦那さんとふたり軽井沢で穏やかに過ごす日々、その中で進む病状と終末が近い心の葛藤を穏やかな筆致で綴っています。
すい臓がんの末期が苦しくない訳ないのに苦しそうな描写が少ないのは、出版された時の読者への気遣いが感じられました。
いつも読み手の事を考えて、読者に受け入れられるかを考えながら執筆しているのは、さすが一流の作家さんと感じました。
残された日々の中で病の苦しさと闘いながら、遺言書を書いたり身辺整理をしたりする様子を見ると、
苦しい化学療法をあきらめて、緩和ケアで最後の日々を穏やかに過ごす選択もありだなと感じました。
亡くなる10日前まで文字を紡いていこうとする姿には作家としての気概を感じました。
というか、きっと山本文緒さんには文字を紡いでいくことが生きることだったのでしょう。
このブログ書いている時に気づいたのですが、
2022年10月4日:山本文緒さんが最後の文章を書く
2022年10月13日:逝去
2022年10月20日:本の発行
と日程がすごい近接している。
と言うことは、文章を手書きしてすぐテキストに起こし、順次編集さんに渡し、
編集さんが受け取り次第順次内容チェックし、校閲に回し、
逝去後すぐ最終チェックし校了、印刷に回していたということ?
書き手と編集(+もしかして旦那さんの手伝い?)のすばらしい連携で出版された本なのですね。
山本文緒さんと編集さんのプロ意識に脱帽。
最後まで作家であり優れた文筆家だった山本文緒さんのご冥福をお祈りします。
今まで素晴らしい作品をたくさんありがとうございました。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
では、またね。(*・ω・)ノ
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